Vol.2 『 101パーセント 』 …悲しいことに僕の子供は強くは生まれてこなかったんだ。 僕はよく、1%という言葉が好きで口にするのだけど、 その意味はこうで、 99%のほうに属すことが出来ず、悲しい目をして生きる1%の人々。(僕もそう) しかし、そんな1%の人たちが、常に世を変えてきたのであって、 そんな、1%の孤独を悲しむ必要なんかない。 世界人口が50億人いたとして、その1%は5000万人。 それだけの仲間がこの世界にはいる。 誇りを持った1%として道を切り開け。 こんなことを、僕はよく言い、人様に鬱陶しがられるんだけど(笑) それとは違って、今回は101匹のワンちゃん、ならぬ、101%の話し。 僕の子供は今から、6年前の雪のふる日の東北で生まれたわけだけど、 これはあまり人に言っていないけれど、決して順風満帆で生まれてきたわけじゃなかったんだよね。 むしろ、弱かった、未熟だった。 そして、何より僕を震えあがらせたのが、生まれて来た僕の子供は、 心臓病を疑われたり、耳が聞こえない、口がきけない、 そんなとんでもない可能性をも秘めていると医師から伝えられたこと。 これには、本当に全身が震えた。 ガクガクガクガクと、マグニチュード100くらいで震えた(笑) ↑その頃、神社で書いた絵馬。これだけが望みだったのに。。。 当然、出産の喜びなんか、完全に消し飛び、 そこからは長く、暗い日々が始まった。 そして、そんな日々の中、僕は、まず、何をしたかと言うと、 とりあえず泣いた(笑) なんで、うちの子が、なんで、うちの子が、、、 と大酒を飲みながら泣いた。 あの頃は恨んだなあ。 もともと無神論なんだけど、神とか、宇宙とか、天とか、自然とか、もう、何かこう運命とかを決める野郎のことを、いつも空を見上げ、 いつかぶっとばしてやるからなと、心底、恨んでた。 むこうにして見れば、迷惑だろうけど(笑) ↑その頃の二人。いつも祈りながら彼のことを抱いていた。ほとんど寝れなかった。 そんなこんなの日々の中、日本の優秀な医療技術によって、僕の息子、マイサンは、だんだんと強くなってゆくんだけど、 ※このことがあってから、僕は日本に医療に深く感謝していて、例え税金は滞納したとしても、健康保険だけはきっちりと払うことにしている。。当たり前か(笑) そして子供が一歳半になった頃、手術なんかもしちゃったりして、その時、泣き叫びながら手術室につれていかれる彼の顔が今でも忘れられないんだけど、それは、まあ、置いておいて、 結局のところ何が言いたいかというと、 その頃の僕は、大変な思い違いをしていたということ。 どういう思い違いかというと、子供が弱く、生まれたことを僕は、勝手にいけないこと、ダメなことだと決め付けていた。 そして、勝手に悲しみ、荒れた生活を送っていた。 でも、彼と過ごすうちに、僕は自然にそうは思わないようになっていった。 これは、きっと、きっとなんだけど、子供は皆、100%の状態で生まれてくると思う。 体が未熟だろうと、どこかに問題があろうと、それも含めて100%で。 体が弱いものは、そのぶん、頭がいいかも知れない。 宇宙学者のホーキンスさんなんか、そのいい例だ。 耳の聞こえないものは、そのぶん、洞察力が鋭いかも知れない。 目の見えないものは、そのぶん、優しいのかも知れない。 そんな形で、人はきっと必ず、100%の存在として、この世に生を受ける。 これは、きっと、正しい。 子供と生活をし、病院に通ううちに、僕はそう悟っていく。 そして、さらに、これが最も大切なことで、 どんなに弱く生まれようと、いつかは強くなる。 時間がかかろうとも、きっと、問題を克服して、いつかは強くなる。 そして、その強くなった暁には、その子供は普通に生まれた子とは、違う、何かを持った子になるはずだ。 生まれてきた時に、持っていなかった強さを手にいれるのだから、計算上は100%プラスアルファになるはずだ。 そう、101%の人間になるはずだ。 ※言っていること伝わります??(笑) これは凄いことだ。 むしろ、普通に生まれなかったことを喜ぶべきくらいに凄いことだ。 僕は、じょじょに強くなってきて、今では毎日、元気に暴れ回っている、自分の子供を見てきて、 本当に、そう思って今を生きているのです。 世の中には、僕と同じように、悲しい空を見上げている親御さんがいると思います。 でも、きっと、きっと、 いつか、その悲しみが喜びに変わる日が来ると僕は信じますよ。 ・・・続く >>ファミリーデイズ TOPに戻る。